上白根幼稚園は、「遊びを中心とした保育」の充実をめざしています。
もちろん「躾」や「マナー」も重要な柱に据え、毎朝門を入ったところで脱帽して挨拶を交わすようにしていますし、お昼には、お弁当を定められた時間内に食べ終えられるよう導いています。お帰りの支度は自分でするというのも、習慣化していることです。年長組には幼小連結のプログラムに従った保育も組み込んでいます。しかし、中心としているのは「遊び」であって、これは私どもが幼児教育を次のように考えているからです。
幼稚園は子どもが「遊ぶ」ところだ、と言ったときに、この「遊び」とは何ものも生み出さない無益なものといったような一般的な意味ではありません。それどころか、子どもたちにとって「遊ぶ」ことは、実に尊い行いなのです。お母さんのしている家事を自分もしてみたいと望む子どもは、「砂場」という子どもたちの世界でそれを実現させます。歩くこととも走ることとも違う「運転」に憧れる子は、「三輪車」を夢中でこいで、「園庭」という道路をひた走ることで身体に満足を感じ、心に爽快感を覚えます。門を入って坂の途中で「発見」したねこじゃらしを採ることにも何らかの達成感があるでしょう。子どもにとって「遊ぶ」とは、心と身体を一つにして自分の求める何かを実現させることであり、これはわれわれ大人が実社会の中でしている行為と本質的に変わるものではありません。子どもはそのようにしてたくさん遊べば、自然に心と身体の活動は活発になり、人としての生きる基本が身についてゆくのです。
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